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6月の読書歴 [本]

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 今頃どうよ?と思ったのですが、個人的な記録として載せておきます。 7月の分も、また8月半ば過ぎかななどと・・・。

 6月は、縫い物を再開したので、ぐっと読書量が減ってしまいました。
 その割には、気晴らしでしょっちゅう本屋に通っていたので、買った本自体は結構多かったんですよね。
 特に、画集や写真集のコーナーををうろうろしていたため気になる本が増えて、思わぬ出費に悲鳴を上げました。

 今回は、小説だけでなく、イラスト集やビジュアル本、マンガなども含めていろいろです。


『ロシア短編集』
 なんだろ~?出版元に在庫はあるはずなのに、アマゾンでは扱いがないので、画像が出てきませんでした。
 例によってバベルの図書館の一冊です。 押しも押されぬロシア文豪の短編集なので、とても読み応えがありました。 ドストエフスキーの「鰐」は、見世物小屋の鰐に飲み込まれた官僚の引き起こした騒動をコミカルに描いたシニカルな一編で楽しめました。 「ラザロ」は、荒涼とした砂漠の地を舞台に、一度死というものを体験した男の禍々しいファンタジーで、死者ぽっかり明いた黒い眼孔をじかに覗き込んだような恐怖と虚無感を味わいました。 トルストイの「イワン・イリイチの死」は、若くして死の病に冒された官僚の男の人生を描いていて、その病の痛みと死の恐怖の容赦ない描写はハードで、読んでいてホントに辛くて何度が挫折しそうになりました。でも、 だからこそ、主人公の死の間際、魂の開放されるシーンはとても感動的で、彼とともに病を追体験していた身としては、心底救われた気がして思わず落涙してしまいました。 終末期を迎えた人間を描いた小説の中では、 掛け値なしの永遠の名作だと思います。


BとIとRとD

BとIとRとD

  • 作者: 酒井 駒子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本


 以前から、可愛らしい子供のおでこやまんまるい頭、ぬいぐるみの絵が気になったしょうがなかった絵本作家さんのささやかなお話し集です。 そのなにげないしぐさやつぶやきから、幼い子供の目線から見る不思議な世界を感じて、ふふっと笑ったり、しみじみしたり、ちょっと疲れた心が癒されました。  




 ブレラン目当てで買ってブレランのところだけ読んでいた本ですが、ランダムにつまみ読みして、最近になってようやく読み終えました。 リドリー・スコットを始めとしてクローネンバーグやデビッド・リンチなど、曲者監督ばかりかと思うと、ジョー・ダンテ(「グレムリン」)、オリバー・ストーン(「プラトーン」)やジェームズ・キャメロン(「ターミネーター」)などもとりあげられていて、80年代のSF映画全体を俯瞰できるいいテキスト本でした。 これを読んだおかげで、今はクローネンバーグ(新作ですが)を結構見るようになったり、昔もっと夢中だったテリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」や「バロン」等もいろいろ見返してみたくなりました。


レオくん (フラワーコミックスアルファ)

レオくん (フラワーコミックスアルファ)

  • 作者: 萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: コミック


 あの萩尾望都がペットものを描くようになるとは、ちょっと驚きです。 甘えん坊で食いしん坊の男の子猫のレオくんは、猫なのに、学校に行ったり、お見合いしたり、アシスタントをしたり、好奇心いっぱいのお年頃です。 そんなレオくんのほのぼのした日常が、全編面白おかしく微笑ましく描かれています。 すごく可愛くてとても面白くて、心が癒される超お勧めの一冊です。   


私とマリオ・ジャコメッリ―「生」と「死」のあわいを見つめて

私とマリオ・ジャコメッリ―「生」と「死」のあわいを見つめて

  • 作者: 辺見 庸
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/05
  • メディア: 単行本


 しんしんと雪の舞う庭で踊る修道士たち、施設で死を待ち受ける老人たち、はっと目をひきつける黒と白、どこか人を不安にさせるのだけど美しい-そんなジャコメッティの写真は、日曜美術館で始めて目にして以来忘れられなくなりました。 残念ながら展覧会には行けなかったので、写真集がないかと探していたら、最近になって、作家の辺見庸さんが文章を書いた本を見つけることが出来ました。 文章のほうはまだ未読です。またゆっくりと読んでいきたいです。 


綺譚集 (創元推理文庫)

綺譚集 (創元推理文庫)

  • 作者: 津原 泰水
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 文庫


 津原さんの小説は初めてでしたが、身体感覚がかなり特異な感じは最初の拒絶反応を過ぎると、意外にとても馴染んで今は病みつきです。たとえるなら発酵と腐敗の境目がかなりビミョーな感じでしょうか?相当美味ですけど、ゲテモノの美味しさですね。 読んでいて不思議に思ったのは、現代の作家さんなのに、谷潤とか、乱歩とかちょっと昔の作家の知られざる短編かと錯覚するような話もあり、かなり文体を自在に操れる作家さんかと思いました。 青春小説という、『ブラバン』、純粋恋愛小説という『赤い竪琴』などどうなのでしょう? 


蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

  • 作者: 津原 泰水
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 文庫


 2番目に読んだ津原泰水の本。 こちらの短編集でしたが、プータローの文学青年と「伯爵」と呼ばれる小説家がコンビになって、旅先などでいろいろな怪異に遭遇すると言う連作集で、幻想味だけでなく随所にユーモア、ときにパッションまであふれ、前作以上に楽しめました。 男二人の究極の美味豆腐を求めてのグルメ旅行・・・私もぜひご一緒したいものです。 ・・・いや~今はスーパーの安豆腐に甘んじているけれど、元々は豆腐大スキーなものでvv


機動戦士ガンダム00 高河ゆん Dear Meisters  COMIC&ARTS

機動戦士ガンダム00 高河ゆん Dear Meisters COMIC&ARTS

  • 作者: 高河 ゆん
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/06/24
  • メディア: 単行本


 ガンダムOO本です。 アニメは始まったときから時に迷走しながら、それでも第二部はかなり期待してず~っと見ていました。 最後のエンディング・テーマなんて、震えて涙が出るほど好きでしたし。 でも、最終話~数話前ではほとほとあきれ、裏切られた~と落胆しました。 ・・・それで、以後ダブルオーと名が付く映像も本も一切見ない買わないと誓ったのに、やっぱり高河さんの絵が好きだから買ってしまう自分が悲しいです。 でも、マイスター4人の知られざるエピソードを描いた短編はとても感じがよくて好きだったので、買った後悔はしていません。 これ以降はもうOO本はもう買わないという、まあ手切れ本ですね
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