2009年後半に読んだ本 その2 [本]
タイトルは去年のものですが、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年明け2日に滋賀の実家に帰省し、3泊ほどしてこちらに戻ってきました。
北風がこたえるとても寒いお正月でしたが、天気だけは素晴らしくよくて、行きも帰りも新幹線の窓から雪を頂く富士山がくっきりと目に入ってきました。 車窓から見た富士、自分としては割りに上手く撮れたように思われますので、いつぞやの年もそうでしたが、縁起ものとしてちょっとおすそ分けです☆
さて、新年のご挨拶はこれくらいにして、去年の残りの読書歴です。 と言っても、もうあまり残っていないのですけど、よろしければお付き合いください。
まずは、去年の冬読んだ小説から
『終末のフール』は、DVDで『フィッシュストーリー』を見てあまり気持ちのいい映画だったことがきっかけで、なにか伊坂氏の作品をということで手に取りました。
終末を迎えると言う設定で、ある小都市の平凡な人々のそれぞれの視点から、残された時間をどう生きるかを描いた連作短編なのですが、全体的に淡々とした軽い文体で書かれているのが伊坂氏らしいのでしょうね。すべての話がすごく気に入ったというわけではありませんが、ときどきひどくツボをついた台詞がひょいと胸に飛び込んできてじわっとしみこみ心に残りました。
『たまさか人形堂物語』は、祖父から古い人形屋さんを継いだ若いOLさんとその店に働く変わり者の職人さんふたりが登場人物として、それにまつわる人形のお話。 人形と言うものは、やはり単なるモノではなく それを見る人、所有する人にとっての鏡のような存在、タマシイの入ったイキモノなのだということを、ウンウンうなづきながら読んでしまいました。 一冊で終わってしまったのがちょっともったいない、ぜひ続編がでてほしいです。
『猫道楽』は、本屋で河出文庫の海外小説あたりをうろうろしていたら、可愛い表紙が目に付いて、なんとなく読むことになった本。 なんと初の長野まゆみという、我ながら意外なのですが、これは掘り出し物で楽しめました。 可愛い表紙からは想像もつかない少年同士の恋愛を描いた連作短編集で、いわばBLなのですが、あまりそれっぽくないところがよかったです。 たとえばある男がうぶな青年をくどくところもとても優雅で洒落ている、口説き方もホント遊びゴコロがみられて楽しかったです。 きっとそんなところが長野まゆみイズムなのですね。 また通常の(?)彼女の作品も読んでみたいです。
最後は、久しぶりに読んだ宮部さんの二冊です。
以前から宮部みゆきのなかでも名作と名高い『火車』は、話の核心となる謎の女性キャラクターに鬼気迫るものがあり、その所業の恐ろしさにぞっとしたり、その一方彼女の心情を思うと涙を禁じえなかったり、だんだんとヴェールがはがれるように事件の真相が明らかになる様も鮮やかで、確かに最高傑作と言われても納得のいく素晴らしいサスペンスでした。 彼女は失踪者で、ストーリーは彼女の実体(こころも含む)を探し進んでいくのですが、最後になってようやく彼女が実際登場したとき、他の登場人物同様、私も彼女になにか話しかけてみたいと思わせる、とても印象的なラストでした。
『名もなき毒』は『火車』ほどではなかったですが、それでもほとんど一気に読んでしまうほど面白かったです。 どの宮部作品でも大体がそうですが、登場するキャラクターたち、主人公とその周りの人、犯人はもちろんのこと、ちょっと顔を出すだけの脇の脇までよくもこう生き生き描けるものだとあらためて感心ました。 そういえば、宮部さんとの出会いの小説『理由』を読んだとき同様に感じてすっかりハマってしまったことを思い出しました。
実は、宮部さんは『模倣犯』を読んでしんどくなってしまい、以来離れていたのですが、またいろいろ読んでみたくなりました。次は、最近文庫になった時代劇の『孤宿の人』あたりかなと思っています。
と、小説は以上なのですが、イラスト集や写真集などもあるのであと少しだけ。
本屋で見かけて、どうしようと迷っているうちに買いそびれ、結局アマゾンでポチり手に入れました。
椅子にハマったときも、木でできたものに一番関心が集中したように、彫刻のなかでも木彫、それも馬、鹿などの動物をかたどったというところに惹かれたのかなぁと思います。 そういえば、自宅の戸棚の壁にはユージンから出たフィギュアのハンティングトロフィーがずらりと並んでいますしね^_^; ブログから再編集したものだからしかたがないけど、木彫自体の写真意外に、割合どうでもいい日常の散漫な写真が多いのがちょっと残念です。
大槍葦人画集 Chronicle LIMITED EDITION
- 作者: 大槍 葦人
- 出版社/メーカー: 壽屋
- 発売日: 2009/12
- メディア: 大型本
と、こっちは完全なる「萌え」の世界。 リトルウィッチという18禁ゲームのイラストを描く大槍さんの絵は、昔から大好きだったので、手に入ったときは本当に嬉しかったです。
表紙の絵はごく最近のわりに一般的なロリ絵なのですが、昔にさかのぼるほど、線も色彩も形もそれはもう繊細になって・・・一枚のカット、イラストとして可愛いだけじゃなくうっとりするくらい美しい絵が満載なので、出来るだけ多くの方に見ていただきたいと思うくらい本当に素晴らしいイラスト集です。
・・・と、言うわけで思わず限定版のほうも購入してしまいましたが、美麗な箱やインタビュー集はいいとして、お値段が高すぎるので、中身に限って言えば、通常版で十分堪能できます。 私にとって限定版は、まあ保存版ですね。
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ホント去年は読んだ本もあまりなく、読書がテーマのブログに比べると、たぶん10分の1にも満たないのではと恥ずかしく思うのですが、私としては読んだ本一冊一冊に関してはよかったと思えるものが多くその点では読書を続けていてよかったと思います。
今年も、たぶん不定期ですが、ある程度読んだ本がたまったら記事を書いていきたいと思います。
2010-01-08 11:52
nice!(4)
コメント(2)
素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
by トリマーとの出会い方 (2010-01-12 15:35)
*トリマーとの出会い方さん*
ご感想をいただきありがとうございました。
またお気が向いたら、お立ち寄りいただけると
とても嬉しく思います。
*ゆゆさん、xml_xslさん、aya_ruiさん、sanaさん*
ナイスをありがとうございました!
by tatchan (2010-01-15 10:11)